問い合わせが来ないときは、「そもそも見られていない」「見られても伝わっていない」「伝わっても連絡しにくい」の3段階のどこで止まっているかを、順番に確かめます。原因が分かれば、直す場所も決まります。闇雲に発信を増やす前に、まず現状を数字で把握することから始めましょう。
まず現状を数字で把握する
問い合わせが来ない原因を探すには、お客様が通る道筋を数字にします。
- ページや投稿を見た人の数
- そこから、詳しい説明や問い合わせのページに進んだ人の数
- 実際に問い合わせた人の数
この3つを並べると、どの段階で人が減っているかが分かります。見た人が少ないなら入口の問題、見ても進まないなら内容の問題、進んでも問い合わせないなら、行動への導線の問題です。
数字は、無料のアクセス解析やSNSの管理画面で確認できます。数字が取れていない場合は、まず取れるようにするところから始めます。何も計測せずに直すと、どの変更が効いたのか分からなくなります。
数が少ないうちは、細かい比較は難しいものです。1か月ほどの合計で、おおまかな傾向をつかむ程度に見ておきましょう。
段階1:見られていない場合
見た人が少ないなら、知ってもらう入口を見直します。
まず、お客様が探しそうな場所に、自分の情報が置かれているかを確認します。検索で調べたり、地図で探したりしたとき、自分が表示されるでしょうか。実際に、お客様になりきって検索してみてください。
次に、発信の量と継続を見直します。発信が数回で止まっていたり、間隔が大きく空いていたりすると、見つけてもらう機会が増えません。無理のない頻度で、続けられる形に整えましょう。
また、届けたい相手を絞れているかも大切です。誰に向けた発信か分からないと、誰の目にも留まりません。ターゲットと、その人が使う言葉を見直すと、見つけてもらいやすくなります。
段階2:見られても伝わっていない場合
見た人は一定数いるのに、先に進まないなら、内容が伝わっていない可能性があります。
最初に確認するのは、「何をしている人で、誰の役に立つのか」が、数秒で分かるかどうかです。ページの冒頭や、プロフィールの最初の1行に、これが書かれているでしょうか。
次に、専門用語が多くないかを見直します。自分には当たり前の言葉でも、お客様には難しいことがあります。身近な人に読んでもらい、「何をする人か、分かった?」と聞いてみると、ずれに気づけます。
さらに、お客様にとっての得られる変化が書かれているかを確認します。サービスの説明だけで、「それで自分はどうなるのか」が伝わっていないと、申し込みの理由が生まれません。
段階3:伝わっても連絡しにくい場合
内容に興味を持っても、連絡する手前でためらう人は多くいます。
問い合わせの方法が分かりにくくないかを、確認します。連絡先がページの下の方に隠れていたり、フォームの項目が多すぎたりすると、面倒に感じて離れてしまいます。
料金や流れが書かれていないと、「聞いたら断りにくくなりそう」と不安になる人もいます。おおよその料金や、問い合わせ後の流れを書いておくと、気軽に連絡しやすくなります。
最初の一歩を小さくする工夫も効果的です。いきなり正式な依頼ではなく、「まずは相談だけ」「質問だけでも歓迎します」と書くことで、連絡のハードルが下がります。
よくある迷いと答え
Q. 数字が少なすぎて、判断できません。
A. 数が少ないうちは、数字よりも、実際にお客様候補と話して、感想を聞くほうが有効です。身近な人に見てもらい、率直な意見をもらいましょう。
Q. 発信を増やすべきか、内容を直すべきか、迷います。
A. 見られている数がある程度あるなら、内容や導線の改善が先です。見られている数が少ないなら、入口を増やすことを優先します。
問い合わせが来ない原因として、見落とされがちなのが「そもそも依頼したい人が少ない」場合です。需要が小さい分野や、対象を絞りすぎている場合は、改善を重ねても限界があります。
そのときは、商品の見直しや、対象の見直しも視野に入れます。身近な人や、過去のお客様に、どんなことに困っているかを聞き直してみると、新しい切り口が見つかることがあります。
また、競合の状況も確認しましょう。同じような仕事をしている人が、どんな言葉で、どんな価格で、どんな人に向けて発信しているかを調べます。真似をするのではなく、自分が違いを出せる場所を探すための調査です。
価格が合っていない可能性もあります。高すぎると感じられて問い合わせが来ない場合も、安すぎて不安に思われる場合もあります。数人の見込み客に価格の感触を聞いて、調整してみましょう。
見直しの進め方
見直しは、小さく、1つずつ行います。
- 変える点は一度に1つだけにする
- 変えた日付と内容を、記録しておく
- 2〜4週間ほど様子を見てから、結果を判断する
- うまくいかなければ元に戻すか、別の案を試す
複数の点を同時に変えると、どれが効いたのか分かりません。急いで結果を出したくなりますが、ひとつずつ検証するほうが、結局は早く改善できます。
また、大きな変更の前に、小さな実験を行う方法もあります。たとえば、ページの見出しだけを変えて、反応を見るなどです。
気持ちの持ち方
問い合わせが来ない時期は、不安になりやすいものです。ただ、事業の初期には、反応が少ないことは珍しくありません。
反応がないのは、あなたの価値がないからではなく、まだ届いていないだけの場合が多いです。自分を責めすぎず、一つずつ原因を探して、直していきましょう。
誰かに相談するのも、よい方法です。同じ立場の仲間や、事業の先輩に話すと、新しい視点が得られます。商工会議所や、自治体の創業相談の窓口も、無料で利用できる場合があります。
問い合わせ以外の反応も、見逃さないようにしましょう。質問のメッセージ、いいねや保存、メルマガの登録、ページの滞在時間などです。直接の問い合わせではなくても、関心がある人がいるサインです。そうした人に、次の一歩を提案する工夫も、問い合わせを増やす助けになります。
次にやること
今日できることは次のとおりです。
- 直近1か月の「見た人」「進んだ人」「問い合わせた人」の数を書き出す
- どの段階で人が減っているかを確認する
- 減っている段階について、直す点を1つ決める
直す点が決まったら、変更して、記録をつけましょう。1か月後に数字を見直し、次の改善に進みます。
なお、問い合わせの数が少ないこと自体を、悪いこととは限らない場合もあります。単価が高い仕事や、じっくり検討される仕事では、問い合わせの数が少なくても、事業が成り立つことがあります。自分の事業に必要な件数を、先に試算しておきましょう。
集客の効果は、業種や地域、時期によって大きく変わります。自分の状況に合わせて、無理のない範囲で試してください。




