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Start-up

開業の手続き

開業届の出し方を順番に確認する。持ち物と書き方

目次
  1. 開業届で最初に決めること
  2. 用意するもの
  3. 書く項目と迷いやすい点
  4. 提出前に見直したい点
  5. 出し方の3つの方法
  6. 屋号と事業用の連絡先を整える
  7. 出したあとにやること
  8. 開業届を出すときによくある迷い
  9. 次にやること

開業届は、税務署に「事業を始めました」と知らせる書類です。用紙は国税庁のサイトからダウンロードでき、住所地を管轄する税務署に出します。出し方は、窓口、郵送、e-Taxの3通りです。

開業届で最初に決めること

正式な名前は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。ひとりで事業を始めるなら、まずこの1枚があれば足ります。

書く前に決めておきたいのは、次の3つです。

  • 事業の内容(何を売る仕事か)
  • 屋号を使うかどうか
  • 開業日をいつにするか

屋号は任意です。付けなくても届け出はできます。開業日は、実際に事業を始めた日か、始めると決めた日を書きます。

用意するもの

窓口に行く場合は、次のものを持っていきます。

  • 記入した開業届(2枚。1枚は控えとして返してもらう)
  • マイナンバーがわかるもの
  • 本人確認の書類
  • 控えに押してもらう印鑑(念のため)

マイナンバーカードがあれば、1枚で番号と本人確認の両方を済ませられることが多いです。通知カードしかない場合は、運転免許証などを合わせて持っていきます。

書く項目と迷いやすい点

主な項目は、氏名、住所、生年月日、事業所の所在地、職業、屋号、開業日です。自宅で仕事をするなら、事業所の所在地も自宅の住所になります。

職業の欄は、短い言葉で足ります。「Webデザイナー」「個別指導の講師」のように、仕事の中身が伝わる書き方で十分です。

「届出の区分」は、新しく始めるなら「開業」にチェックを入れます。

事業の概要を書く欄は、一行で構いません。たとえば「オンラインでの文章作成の受託」のように書きます。細かく書きすぎると、あとで事業の幅が広がったときに合わなくなります。

「給与支払事務所等の開設届出書」の欄は、人を雇う予定があるときだけ関係します。ひとりで始めるなら、チェックしなくて大丈夫です。

提出前に見直したい点

提出前に、次の点を見直しておくと、窓口でのやり直しを減らせます。

  • 氏名と住所が、住民票や本人確認の書類と同じ表記になっているか
  • 開業日が、あとから説明できる日付になっているか
  • 屋号を付けるなら、表記ゆれ(全角と半角、スペースの有無)がないか
  • 控え用の2枚目にも、同じ内容を書いてあるか

とくに屋号は、あとから口座や請求書で使うので、最初の表記をそろえておくのが大切です。ひらがなで届けたのに、請求書ではカタカナで書く、といったずれは避けましょう。

届け出の内容が変わったときは、変更の届けを出す必要があります。たとえば住所が変わった場合です。そのときのために、控えのコピーと、出した日付は残しておいてください。

出し方の3つの方法

窓口は、その場で記入の不備を見てもらえるのが利点です。わからない欄があれば、そのまま質問できます。混み合う時期は、待ち時間が長くなることがあります。

郵送は、控え用の返信用封筒を同封します。切手を貼った封筒がないと、控えが戻ってこないので注意してください。

e-Taxは、マイナンバーカードとスマートフォンまたはカードリーダーがあれば、自宅から出せます。控えもデータで残ります。あとで青色申告を使うなら、e-Taxに慣れておくと楽になります。

屋号と事業用の連絡先を整える

開業届を出す前後に、屋号以外にもそろえておきたいものがあります。

  • 事業専用のメールアドレス
  • 事業用の電話番号(携帯電話の番号でも構いません)
  • 請求書や名刺に書く住所をどうするか

自宅の住所を出したくない場合は、バーチャルオフィスなどの選択肢があります。ただし、届け出の住所と、取引先に見せる住所が違う場合は、手続き上の扱いを調べておく必要があります。

銀行口座を作るときや、取引先から書類を求められたときに、連絡先が整っているとスムーズです。開業届の提出と並行して、少しずつ整えていきましょう。

名刺は、最初は簡単な作りで足ります。屋号、名前、連絡先、仕事の内容が一行で書かれていれば、役目を果たせます。

出したあとにやること

開業届を出しただけでは、税金が安くなるわけではありません。青色申告をしたいなら、別に「青色申告承認申請書」を出す必要があります。期限があるので、開業届と同じ日にまとめて出しておくと安心です。

屋号付きの口座を作りたい場合や、取引先から開業届の控えを求められた場合にも、控えが役に立ちます。紛失しないよう、コピーを取って保管してください。

事業の開始から1か月以内に出すのが原則です。期限を過ぎても受け付けてもらえますが、遅れた理由を聞かれることがあります。気づいた時点で早めに出しましょう。

窓口に行くなら、平日の午前中の早い時間か、月の中旬あたりが比較的すいていると言われます。確定申告の時期(2月中旬から3月中旬)は、とくに混み合います。その時期に出すなら、郵送やe-Taxのほうが負担が小さくなります。

遠方に住んでいる場合や、仕事が忙しくて平日に動けない場合も、郵送やe-Taxが向いています。自分の生活に合う方法を選んでください。

開業届を出すときによくある迷い

「まだ売上がないのに出していいのか」と迷う人がいます。売上が立つ前でも、事業を始める準備に入っていれば、出して構いません。開業の準備にかかった費用を整理しやすくなる面もあります。

「会社員を続けながらでも出せるのか」という疑問もよく聞きます。副業として継続的に事業を行うなら、出すことはできます。ただし、勤め先の就業規則との関係は、別に確認が必要です。

「家族に知られたくない」という場合は、住所や名前の扱いに気を配ります。届け出をした内容が、第三者に公開されるわけではありません。ただ、取引先に渡す書類には、屋号と住所を書く場面が出てきます。

迷ったときは、税務署の窓口で相談できます。事前に電話で予約すると、案内がスムーズなことがあります。

次にやること

今日できることは3つです。

  • 国税庁のサイトで、開業届の用紙をダウンロードする
  • 開業日、屋号、事業の一行説明を、メモ帳に書き出す
  • 管轄の税務署の場所と受付時間を調べる

この3つが終われば、あとは用紙に写すだけです。同じ日に青色申告承認申請書も用意すれば、一度の訪問で済みます。

開業届の控えは、確定申告のときや、融資・補助金の申請のときにも求められることがあります。紙で出した場合は、税務署の受付印が押された控えを、ファイルにまとめておきましょう。e-Taxで出した場合は、受信通知をPDFで保存し、印刷しておくと、あとで探す手間が省けます。

また、開業届を出した日をカレンダーに記録しておくと、青色申告や年度の区切りの管理にも使えます。開業から最初の1年は、やることが多くて忙しい時期です。小さな記録を残す習慣をつけておくと、あとの申告や見直しが楽になります。

制度の細かい扱いは変わることがあります。不明な点は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。