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事業用の口座は分けるべき?作り方と使い分け

目次
  1. 分けなくてもよいのか
  2. 分けるメリット
  3. 口座を分けるタイミング
  4. 口座の選び方
  5. 口座を分けないときのリスク
  6. 屋号付き口座の作り方
  7. 日々の使い分け
  8. 現金の扱いもルールを決める
  9. 次にやること

個人事業主は、事業用の口座を分けておくのがおすすめです。法律で義務づけられているわけではありませんが、帳簿づけが楽になり、確定申告のときの説明もしやすくなります。

分けなくてもよいのか

個人事業の場合、事業用とプライベート用の口座を分けなければならない決まりはありません。ひとつの口座で両方を使っても、違反にはなりません。

ただ、ひとつの口座だと、入出金の記録のなかから事業の取引だけを探す手間が出てきます。生活費の引き落としと仕入れの支払いが並ぶと、確認に時間がかかります。

税務署に質問されたとき、事業の取引を説明しやすいのも、口座が分かれている場合です。

分けるメリット

口座を分けると、次のような利点があります。

  • 帳簿づけがしやすくなる
  • 事業のお金がいくらあるかが見えやすくなる
  • 経費とプライベートの支出が混ざりにくい
  • 取引先に振込口座を伝えるとき、屋号付きにできることがある

とくに、事業のお金とプライベートのお金を分けて見られるのは大きな利点です。事業が黒字か赤字かを判断するとき、生活費が混ざっているとわかりにくくなります。

口座を作るときは、事業の内容を聞かれることがあります。仕事の中身と、おおよその取引の規模を、説明できるようにしておきましょう。

審査が必要な口座では、開業届の控えや事業の内容がわかる資料を求められることがあります。早めに申し込んでおくと、仕事が始まる前に間に合います。

口座を分けるタイミング

分けるタイミングは、開業届を出す時期に合わせるのがきれいです。開業日からの取引を、最初から事業用の口座で記録できます。

すでにプライベートの口座で事業の取引をしている場合は、新しい口座を作った日から切り替えます。それ以前の分は、元の口座の明細をもとに整理します。

切り替えの前後で、取引先に伝える振込先も変わります。請求書に載せる口座情報を、新しいものに更新しておきましょう。

定期的な支払いは、引き落とし口座の変更を忘れがちです。通信費やソフトの月額料金など、事業で使うものを一覧にしておくと、漏れを防げます。

口座の選び方

選ぶときに見る点は次のとおりです。

  • 振込手数料が安いか
  • 会計ソフトと連携できるか
  • インターネットバンキングが使いやすいか
  • 屋号付きの口座を作れるか

手数料は、振込の回数が多い仕事ほど効いてきます。月に何件の入金と出金があるかを数えて、比べてみてください。

ネットバンクは、通帳を持ち歩かなくても取引を確認できます。会計ソフトに明細を自動で取り込める口座なら、記帳の手間が大きく減ります。

口座を分けないときのリスク

ひとつの口座で済ませる場合、気をつけたい点があります。

  • 経費の領収書が口座の記録と合わなくなる
  • 売上の入金が、生活費の入金と混ざる
  • 事業の利益を、自分で把握しにくくなる
  • 税務署に説明を求められたとき、取引を切り分ける作業が大変になる

最初は取引が少ないので、問題が見えません。しかし、仕事が増えるほど、混ざった記録を整理するのに時間がかかります。

あとで口座を分けようとしても、すでに混ざった過去の分は、そのまま残ります。後から整理するより、最初から分けておくほうが楽です。

屋号付き口座の作り方

屋号付きの口座は、「屋号+個人名」の名義で作れます。金融機関によっては、作れない場合や条件が異なります。

作るときに求められやすいものは、開業届の控え、本人確認の書類、屋号がわかる資料などです。事前に窓口や公式サイトで必要書類を確認しておくと、スムーズです。

開業届を出したあとに申し込むと、話が早く進みます。控えのコピーを手元に置いておきましょう。

屋号付き口座は、取引先に「口座名義が屋号と合っている」ことを示せます。請求書の信頼感も上がります。

日々の使い分け

口座を分けたあとは、お金の流れを決めておきます。

  • 売上は事業用口座に入金してもらう
  • 事業の経費は事業用口座から払う
  • 生活費は、必要な額をまとめて事業用口座から移す(事業主貸として記帳)
  • 事業用のクレジットカードを使う場合も、引き落とし先は事業用口座にする

生活費を引き出すときは、記録を残します。会計ソフトで「事業主貸」として処理するのが一般的です。ルールを決めておけば、毎月の処理は短時間で済みます。

事業用の支払いをうっかりプライベートの口座から払ってしまった場合も、記録に残せば経費にできます。慌てなくて大丈夫です。

現金の扱いもルールを決める

口座だけでなく、現金の扱いも決めておきましょう。

事業で現金を受け取ったり、少額の経費を現金で払ったりする場面はあります。そのときは、受け取った現金を事業用口座に入金するか、現金出納帳に記録します。

財布の現金を、事業用とプライベート用で分ける必要はありません。ただ、事業のために使った分は、レシートや領収書を残して、あとで記帳します。

小さな買い物でも、金額と日付、用途が残っていれば、経費として説明できます。レシートが出ない場合は、メモを残しておきましょう。

こうした小さなルールが、年末の確定申告のときに効いてきます。

次にやること

次の3つから始めましょう。

  • 今使っている口座の毎月の入出金を、事業とプライベートに分けて眺める
  • 振込の回数と、必要な機能(会計ソフトとの連携など)を書き出す
  • 候補の口座を2〜3つ選び、必要書類を調べる

口座が決まったら、開業届の控えと本人確認書類を持って申し込みます。

最後に、口座を分けるときの小さなコツを足しておきます。

事業用口座の名義は、屋号付きにしなくても構いません。個人名義の別の口座を、事業専用として使うだけでも、十分に役立ちます。

ネットバンクと、普段使いの銀行の両方に口座を持つと、片方でトラブルがあったときの備えにもなります。ただし、口座が増えすぎると管理が大変になるので、最初は1つで十分です。

通帳やカードの管理は、プライベートの財布とは別の場所に置きましょう。盗難や紛失のときの被害が、事業とプライベートの両方に広がるのを防げます。

口座の明細は、半年か1年ごとに、PDFや紙で保存しておくと安心です。金融機関によっては、ネットで見られる期間が限られている場合があります。確定申告のあとに必要になることもあるので、保存の習慣をつけておきましょう。

複数の口座を持つ場合は、役割を一覧にして貼っておくと混乱しません。たとえば、売上の入金用、経費の支払い用、税金のための積み立て用と分けると、納税の時期に慌てずに済みます。

口座の暗証番号やログイン情報は、使い回さず、事業用に別のものを設定しましょう。パスワード管理のアプリを使うと、覚える負担が減ります。

税務上の扱いは状況によって異なります。詳しくは税務署や税理士などの専門家に確認してください。