お客様の声は、サービスを受けた直後に、短い質問で集めるのがもっとも効果的です。聞く内容を3つほどに絞り、答えやすい形にして依頼します。集めた声は、商品を直す材料にするのが第一の目的で、公開は許可を得てから行います。
なぜお客様の声が必要か
お客様の声には、2つの役割があります。
1つ目は、商品を改善するための情報です。自分では気づかない良い点や、分かりにくい点を、利用した人が教えてくれます。
2つ目は、これから申し込むか迷っている人の判断材料になることです。実際に使った人の言葉は、自分で書いた説明文よりも、信頼されやすい面があります。
ただし、声を集めるのは、褒め言葉をもらうためではありません。厳しい意見にも、商品を良くするためのヒントがあります。
聞くタイミング
聞くタイミングは、主に3つあります。
- サービスの終了直後(印象が新しいうちに)
- 少し日がたって、成果が見えたころ
- 継続のお客様には、定期的に
終了直後は、回答率が高くなります。感想を書いてもらう場合も、早いほど具体的な言葉が出やすくなります。
成果が出るまで時間がかかるサービスなら、数週間後にもう一度、聞いてみましょう。短期の感想と、長期の変化の両方が集まります。
声を集めるときには、お願いの伝え方も大事です。依頼の文章は、短く、丁寧に、お礼を先に述べる形が基本です。
たとえば、サービス終了後に「ご利用ありがとうございました。今後の改善のために、3つだけ質問に答えていただけませんか。所要時間は2分ほどです」と送ります。目的と所要時間を明記すると、答えてもらいやすくなります。
返信がなくても、催促は一度だけにします。何度も送ると、せっかくの関係が悪くなることがあります。答えてもらえなかったときは、あきらめて次の機会を待ちましょう。
お礼の気持ちは、小さな形で伝えます。回答してくれた人に、ありがとうの一言を返すだけでも、印象に残ります。
質問の作り方
質問は、少なく、答えやすくします。多すぎると、途中でやめられてしまいます。
次の3つの質問が、使いやすい基本形です。
- 申し込む前に、どんな悩みがありましたか
- 利用してみて、どう変わりましたか(役に立った点)
- 分かりにくかった点や、改善してほしい点はありますか
選択式と自由記述を組み合わせるのも効果的です。たとえば「満足度を5段階で」と聞いて、「理由を一言で」と添える形です。
質問フォームは、無料のフォーム作成ツールで作れます。スマートフォンから、数分で答えられる長さに整えましょう。
誘導する聞き方は避けます。「良かったですよね」のような聞き方では、本当の意見が集まりません。
整理するときの小さなコツをもう一つ挙げます。集まった声を、一覧表にまとめておくと便利です。表には、日付、お客様の属性(年代や職業など)、良かった点、改善点、対応したこと、といった列を作ります。
この表を見れば、どんな人が、どんな点で満足したか、反対に、どんな人が不満を持ったかが分かります。商品の対象を決め直すときにも、使える資料になります。
個人が特定される情報は、一覧表では伏せるか、番号などに置き換えて管理します。表は自分だけが見るものにして、安全な場所に保管しましょう。
集めた声の整理
集まった声は、そのまま眺めるだけでなく、分類します。
- 良かった点(続けるべきところ)
- 分かりにくかった点(説明の改善)
- 足りなかった点(内容の追加)
- 要望(新しい商品の種)
同じ意見が複数あれば、優先して直します。1人だけの意見は、参考にしつつ、全体を見て判断します。
意見を集めると、全部に応えたくなりますが、全部は直せません。自分の商品が誰のためのものかに立ち返って、優先順位を決めましょう。
商品への反映
反映は、小さく直して、効果を見ます。
説明が分かりにくいと言われたら、説明文や案内資料を直します。流れが面倒だと言われたら、手順を減らします。内容が足りないと言われたら、追加する範囲を検討します。
直したら、次のお客様に変化を感じてもらえたかを、また聞いてみます。この繰り返しで、商品は少しずつ良くなります。
直す内容と日付を記録しておくと、あとで見返したときに効果が分かります。
声を集める作業は、売上が増えた時期ではなく、売れていない時期にこそ役立ちます。反応が薄いときに、お客様の本音を聞けば、改善の方向が見つかります。
また、サービスを受けなかった人の声も貴重です。見送った理由を聞ければ、説明の足りない点や、価格の問題が分かります。聞くときは、押し付けにならないよう、任意で答えてもらう形にします。
公開するときの注意
お客様の声を、ホームページや資料に載せる場合は、事前に本人の許可を得てから載せます。
- 名前や写真を出すかどうかは、本人の希望に合わせる
- 内容を勝手に書き換えない
- 実際の声だけを載せ、作り話や誇張をしない
- 成果の保証と受け取られる書き方を避ける
実在しない声や、本人が書いていない声を載せるのは、お客様を誤解させる行為です。信頼を損なうだけでなく、問題になる場合もあります。
声が少ないうちは、無理に載せなくて構いません。実際の声が集まるまで、サービスの内容を丁寧に説明するほうが誠実です。
声を集める仕組みは、一度作れば繰り返し使えます。サービスの流れの中に、質問を送る手順を組み込んでおくと、忘れずに続けられます。たとえば、納品のメールに質問フォームのリンクを添える、といった形です。
小さな仕組みでも、習慣になれば、商品の改善が自然に進みます。お客様の声は、ひとり起業の何よりの教科書です。耳を傾け続けることが、長く続ける力になります。
はじめは、答えてくれる人が少なくても気にしなくて大丈夫です。数が少ないうちは、1件ずつ丁寧に読み、返信やお礼をするだけで、信頼関係が深まります。
次にやること
今日できることは次のとおりです。
- 質問を3つ決めて、フォームを作る
- 直近のお客様2〜3人に、質問を送る
- 返ってきた声を、4つの分類に分けて整理する
最初の1件が届いたら、感謝を伝えましょう。丁寧なお礼が、次の声にもつながります。
声を集める目的を、お客様に伝えることも忘れないようにします。「サービスの改善に役立てます」と書き添えるだけで、答える側の安心感が変わります。また、公開しないと約束した内容は、約束どおりに扱いましょう。声を預かるのは、信頼をお預かりすることでもあります。集めた声の保管場所と、見られる人の範囲も決めておくと、情報の取り扱いに迷いません。
集めた声は、季節ごとに見直して、古くなった情報を整理しておきましょう。
個人情報の扱いについては、お客様に利用目的を伝えるなど、基本的な配慮をしてください。




